<鳥取不審死>上田容疑者、派手好きで子煩悩(毎日新聞)

 「疑惑」はついに事件に発展した−−。鳥取県内で相次いだ男性の不審死で県警は28日、鳥取市内の元スナックホステス、上田美由紀容疑者(36)を、同市内の自営業、円山秀樹さん(当時57歳)に対する強盗殺人容疑で再逮捕した。上田容疑者と接点のあった変死者は7人。何人の死にかかわっているのか。動機は何か。全容解明に期待が集まる一方、物証はきわめて乏しいとみられている。

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 逮捕された上田容疑者はどんな人物なのだろうか。

 上田容疑者は鳥取県中部の北栄(旧大栄)町で育った。両親と弟の一家4人。だが建設関係の仕事をしていた父親は早くに亡くなったという。

 卒業した同町立小中学校の同級生は、当時の上田容疑者について相反する記憶を語る。「目立たない存在」「あまり活発ではない」などと話す人が複数いる一方「よくしゃべり、うるさかった」との声もある。

 上田容疑者自身は小学校卒業時の文集に、こう書き残している。「趣味 あばれること 特技 バレーボール 好きなこと 手紙を書くこと 性格 たんき(すぐもんくをいう)」

 進学先は県立の農業高校(当時)の生活科。このころから生活が荒れ始めたらしい。同級生だった女性は「2年生のころ、喫煙がばれて退学処分になった」と振り返る。間もなく自衛官らと2度の結婚をするが、いずれともすぐに離婚した。2人の子供は母親に預けて自分は鳥取市内で暮らし、週末に車で迎えに来る生活を送っていたという。

 その後は「大阪で看護師をしていた」と周囲に吹聴しているが、県警幹部は「ウソ」と断じている。このほかにも、上田容疑者が自称していた経歴には、事実と異なることが少なくない。

 最後の勤務先となった鳥取市内のスナックでは、05年11月から約2年間、ホステスとして働き、巧みな話術で人気を集めた。客らからさまざまな名目で借金を重ねる一方、生活ぶりは派手で「3000〜4000円の買い物をして1万円を渡し、釣りをもらわなかった」「男と飲み歩き、食事代を全部出すことで有名だった」などの証言もある。

 逮捕後の上田容疑者は、5人の子供の様子を気にかけながらも、取り調べには淡々と応じているという。

 虚言、浪費、子煩悩……。その入り組んだ心のどこかに何かが潜んでいるのだろうか。

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横浜事件 65年…「やっと答え」遺族ら万感 無罪判断(毎日新聞)

 半世紀を超す汚名が、ようやくすすがされた。横浜事件の元被告5人の刑事補償請求を認めた4日の横浜地裁決定。でっち上げの事件で有罪判決を受け、「犯人が被害者を裁いた裁判」と批判し、名誉回復を求めてきた元被告らの闘いがついに実を結んだ。1945年の有罪判決から65年、86年の第1次再審請求からは24年。遺志を継いだ家族らは「本当の答えをやっと国から得られた」と「無罪」の重みをかみしめた。

 決定後、故小野康人さんの遺族らは横浜弁護士会館で会見した。

 小野さんの次男新一さん(63)は「(ここまで)踏み込んで出るとは思わなかった」と満面の笑み。「こうした結果になることは確信していた。第1次(再審請求)で申し立てた方全員に聞いていただきたい」。長女の斎藤信子さん(60)はほっとした表情で、かみしめるように語った。

 大川隆司弁護士は「治安維持法によって冤罪(えんざい)がつくられ、その責任を司法関係者すべてが負うべきだと裁判所が表明した最初の決定」と意義付け、佐藤博史弁護士は「最良の日を迎えることができた」と声を震わせた。補償金を使い、事件の記録集を作成するという。

 決定書を受け取った故木村亨さんの妻まきさん(60)らは神奈川県庁で会見し、「うれしいけど、複雑な気持ち」と話した。公判中に請求人本人や、弁護士らが次々と亡くなった。再審が「無罪」ではなく「免訴」の判決だったことに触れ、木村さんは「一区切りがついたとは到底思えない。今後も事件が何だったのか、考え続けていきたい」という。

 故小林英三郎さんの長男佳一郎さん(69)は「免訴は残念だったが、父の思いを胸に、これまで頑張ってきて良かった」と万感の思いを込めた。森川文人弁護士は「裁判所からは誠意ある回答をいただいた」と評価した。【池田知広、高橋直純】

 ◇解説 司法の自省 意義大きく

 横浜事件の刑事補償請求に対する横浜地裁決定は遅すぎたとはいえ、無罪判断を示して元被告らの名誉回復をかなえ、冤罪(えんざい)を防げなかった司法の責任にも言及した。第1次再審請求から24年間、元被告や遺族、弁護人らがあきらめることなく司法の扉をたたき続けた結果だ。

 決定には二つの源流がある。3次請求の再審開始を確定させた東京高裁決定(05年3月)と、今回と同じ大島隆明裁判長が4次請求で出した地裁の再審開始決定(08年10月)だ。

 高裁決定は一連の再審請求で初めて「拷問による自白」に言及し、無罪を言い渡すべき新証拠とした。また、地裁の再審開始決定は、元被告らが共産党再建を謀議した場とされた「泊会議」の虚構性を指摘。「裁判所側が訴訟記録を破棄した可能性が高い。元被告側の不利益にならないように努めるのが裁判所の責務」と司法の責任に触れ、わずか1日で有罪とした当時の審理を「稚拙」と批判した。これらの延長線上に刑事補償決定で示した司法の自省がある。

 無罪判決が確実視される「足利事件」の再審公判が注目を集め、取り調べ全過程の録音・録画(可視化)が議論されている。虚偽自白による冤罪を防ぐ方途が今なお求められる中、戦時下という特殊性はあるが、検察側の主張を「追認」するだけでは、司法の役割を果たせないことを示した横浜地裁決定の意義は大きい。【杉埜水脈】

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